ほぼ前情報なく観てきた。
※ネタバレがありますので、鑑賞前の方は読まないで下さい。
『生々しく』
ぼくの感想はこのひと言に尽きる。
以上。
と、なってももやもやするのはぼく自身なのでもう少し続ける。
ジブリでは、死にいたる生と言うものが見え隠れする作品が多い中、より近く魅せたものは、この『風立ちぬ』が、はじめてではないだろうか。
横たわる死も生々しい。
生きていくあがきも生々しい。
効果音すらあえて生々しいのはわざとなのか。
最後に至る彼女がなにを選択するのかはもう、先を見るまでもなく見せられてしまい、もうただただ辛かった。
だが、宮崎駿監督はスクリーンに現れる彼女を生々しくさせなかったのは、彼女をキレイなままで魅せたかったという思いなのかと儚かった。
スタッフロールが流れ、画面におわりの文字が現れても場内はざわつくことなく無音であったのも印象に残った作品。
鈴木敏夫プロデューサーが「宮崎駿の遺言である」と称した。
これは、ジブリ作品ではなく、宮崎駿監督の作品であるとまざまざと見せつけられた気がした。
良い作品だ。感動した。などとのたまうものでもないと思う。
あの時代、そう選択したのだ。せざるを得なかった。ではない。
『生きねば。』と。