iriver AK100 疑似バランス出力と変換プラグ作成

iriver AK100 疑似バランス出力と変換プラグ作成

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こちらはViablue T6s PHONO PLUGS STEREO 3.5 MMを使ったとあるブツ。

何度も失敗してやっとできたのだ。

 

 

 

技術解説:ヘッドフォンのバランス駆動について | 2nd Staff

 

 

 

変換プラグはいいとして、”疑似バランス出力”とはなんぞやからはじめたい。

今回はあくまでiriver AK100で話になりますが、疑似バランスなんて言葉がtwitter界隈からチラチラ見えてきました。

ちょっと戻って。
AK100、さらにiPhoneもバランス出力ではなく、アンバランス出力である。

かいつまんで話すと以下のリンク先を読んで(ΦωΦ)

 

 

ブログ ポータブルプレーヤーの擬似バランス化

ほかにもいくつかサイトが出てましたが、こちらが一番わかりやすかったのでリンクさせて頂きましたm(_ _)m

AK100は(iPhoneも)通常左右の信号をR(HOT)、L(HOT)にL/R(GND)を共有された信号をイヤホンで受けている訳です。
※GND:グランド(この場合、COLDもしくはマイナス) 

そこで、L/R(GND)を共用しているところを別のところから取りだそうしたのが”疑似バランス出力”のお話になります。

AK100はイヤホン出力の横に光入力端子(3.5㎜)がありますが、そこにGNDが落ちているそうなので、こちらからR側のGNDを取り出してしまいL側とは分けてしまおうということです。

 

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AK100(AK120も)が疑似バランスに対応できる。ということはわかりましたが、聞くためには、もう1点条件があります。

イヤホン側もL/RのGNDを共有しているのではない状態にする必要があります。

画像の2.5㎜ 4極プラグを使ってイヤホン側もバランス化(L/R)します。

 

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前回の記事で10pro用のケーブルを製作しました。

実は、疑似バランス化の布石だったりした訳です。

もともと10pro用に使用していたケーブルは、この疑似バランスに対応できるものではなかったのです。

左右分岐しているところからユニットまでは、もちろんL/R各チャンネル2本ずつケーブルが出てます。
しかしL/Rを結合しているところから、プラグ側まではGNDが共有された形になってます。

 

 

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3極のプラグを使用すれば、GNDを共有するしかありませんが、4極を使用すれば4つのケーブルを分けて使えます。

このバランス接続用のプラグ/ジャックはいくつか種類がありますが、AK方式(AK240/AK120Ⅱ/AK100Ⅱ)で利用する2.5㎜4極のピンアサインで作ります。

ミニXLR、アイリス、3.5㎜4極などもありますし、ご自分の環境で扱いやすいもので制作するのがよいと思います。

L/R分合わせて4つのピンアサインが取れればよいのです。

 

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どん!!

できました(ΦωΦ)

 

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AK100につなげるとこんな感じです。
R(COLD)のみ、画像右側の光入力用からGNDを取ってます。

その先にあるのは2.5㎜ 4極ジャックです。こちらにイヤホンケーブルを接続します。

記事の途中ですが、本疑似バランス用変換ケーブルですが廃棄しました。

 

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疑似バランス変換ケーブルには『銀メッキ7/0.12(0.08SQ)撚線ジュンフロン(FEP)被覆』を使用していたのですが、どうにも音が気に入らず、さらに嵩張るので使うのをやめました。

音を良くしたいと思ったケーブルがどうにも納得できないので、別の方法で作り直すことにします。

Viablue T6s PHONO PLUGS STEREO 3.5 MM

こちらを使うと想定した形で変換ケーブルができるのではないかと思って試すことにしました。

 

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Viablueのプラグを使うのはいいのですが、そこらで購入できるプラグの軽く5倍以上のお値段がするので失敗する訳にはいかない(;゚ロ゚)

ネットを漁っていたら同じことを実践している人も見つけましたし、別のものを作って試してみたので、なんとかなることがわかりました。

この高級プラグと言って差し支えないViablue T6sシリーズですが、せっかくなので各パーツを紹介しながら作業を進めていこうと思います。

このネジですけど。
左側の短いのが、プラグ側。
右側の長いのが、コネクター側。

 

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ケーブルの太さに対応するためにアダプターが2種入ってます。
1番目の小さいアダプターを入れた状態で、3㎜〜4.5㎜に対応。
2番目のアダプターを入れると5㎜〜7㎜までのケーブルに対応。
アダプターを全部外すと7.5㎜〜9.5㎜まで対応。

 

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こちらがアダプター。

ケーブル固定のためのネジ穴が空いていますが、前後の位置が決まってます(穴位置さえあれば固定はできます)

画像で下側がプラグ側になります。
反対に取り付けるとコネクタ側で面一になりません。

 

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プラグ側です。

 

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ついでにピンアサインも確認しておきましょう。

モノラルであろうが、ステレオであろうがプラグ側の根元はGND(L/COLD)である。というのは共通事項。

L(HOT)のケーブル接続側が見にくいですが、ほんとに小さいので…
4極はもっと小さい訳で…

 

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くるっと回ります。
黒い円柱部分に凹んだところがありますが、カバーをかぶせてネジ止めする場所になります。
ここで固定される訳です。

 

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順番前後してしまいましたが、アダプター2種類を抜いてアウター本体のみです。

 

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アダプター1つ入れてケーブル固定用ネジを入れてみました。
長いですよね(;゚ロ゚)

これはなんとかしないと。

 

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MJ-068H 2.5㎜ 4極ジャックです。

以前使ったのは中継用だったので少し形状が違います。
特にL(COLD)側がケーブル固定できるようになっていたのに、こちらは短絡してます。
それでもほかの端子よりも長めになっていますので、わかりやすいですね。

特にL/Rとか書いてませんが、先ほどの一番長い端子がL(COLD)、ひとつだけ金メッキ処理されているのがR(HOT)
それぞれの対角線上が、対応する対極になります。
※R(HOT)の反対側が、R(COLD)、L(COLD)の反対側がL(HOT)

 

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3.5㎜系のパーツは黒なのですが、2.5㎜系はグレーなのか…

 

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ナットは邪魔なので外します。

 

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ねじ切ってあるところも邪魔なので削ります。
そんなにしっかり削らなくても大丈夫です。

 

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一応プラグを入れてピンアサインを確認してペンで記入。
どうせ見えない位置になりますので書いちゃいます。

 

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アダプターが入るか確認。

 

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仮組してみます。
まずジャック側。

 

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次にプラグ側…

入りません。

 

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切りました。

 

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問題なく入りました。
先ほど切断した部分は角が立っているので、やすり掛けしときました。
ケーブルが接触して切断とかにはならないように…

 

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R(COLD)をネジがある反対側にする必要があるので、R(HOT)をネジのある正面へ。
※ケーブルを引き出す必要があるので、ネジがある正面でなければよいです。

 

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画像上が、ネジ穴がある部分。
ジャックが中で回転してしまっていますが、同じく上部分がR(HOT)になってます。

 

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中はこんな感じになるはず…
実際にはプラグ側を45度ずらしてますので、できるだけ接触しないようになってます。

ジャック側のL(COLD)も切りました…

 

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R(COLD)のケーブルを外に出すので、アダプターを切りました。
この部分にケーブルが通るようにします。

 

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組み付けるとこんな感じ。
…少し斜めにずれた(・_・、)

 

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内部接続用にケーブルを用意します。
mogami2526、先日10pro用にリケーブルしたときに使ったケーブルです。

 

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剥いてみました。

使うのは、HOT側のみです。

 

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下が、2526のHOT側芯線で、上がmogami2520となります。
R(COLD)外出し用のケーブルは、このmogami2520のHOT側芯線を使います。

芯線の材質は同じでシースの違いと、芯線の本数が違います。
※2620はケーブルに強さを出すため、ファイバー線がまざってます。ハンダづけすると溶けちゃいますので気にしません。

 

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2520HOT線にスミチューブV 1.5㎜を被せます。
収縮させずそのまま使います。

 

 

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2526HOT芯線をハンダづけしていきます。
斜めなのは根性が曲がってるからではなく、ケーブルに負荷が掛かるので、わざと斜めにしてます。

 

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R(COLD)側も半田付け。

反対側へ向けます。

 

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アウターへ通してみました。

 

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プラグ側の余長を切ります。
もっと切るべくでしょうが、作業しにくいので…

 

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ハンダづけしました。

汚いな…

 

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ひと工程すっとばしましたが、完成です。
R(COLD)側プラグは1箇所半田付けするだけなので…
ケーブルが細いのでちょっと工夫はしましたが、どれほど効果があるか。

 

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通電確認して今度こそ完成!

ケーブルさして使ってみても断線などは発生しません。

 

危惧していた音ですが、やはり最初に作ったケーブルとは違います。
余分にお金掛けた甲斐が有りましたw

で、音は?
これはまたリケーブルした効果(3本→4本化)もあるので、ただ驚くというところではなかったりしました。

疑似バランス化によって、間違いなく分解能は上がっているのはよくわかりますが、なにがひっかかるかと言えば

早くWestone UM PRO 30帰って来いよ。

って、ことです。
10proの気になるところが全て消える訳ではないので、やはりぼくにとっては完璧じゃないのです。

ですが、もうひとつのブツを使うとしっかり効果があったので、それはまた今度…

 

 

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疑似バランスケーブルを作り直す前に、2.5㎜4極→3.5㎜3極変換を作成してました。

 

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これを先に作っていたから疑似バランス変換ケーブルをviablueで作り直すことができたのです。

 

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見た目一緒ですけど。
内部接続線もmogami2526HOT線を使ってます。

 

★どちらも少し問題があります。

MJ-068H 2.5㎜4極ジャックですが、プラグ差すのが非常に固いです。
ネジで押さえつけているのが強すぎるのかと思い緩めてみましたが、やはり固い…

で、そのネジですが、長すぎるので切断してます。ワイヤーカッターで切った後、ヤスリで整えてます。
ですが、もう少し短くした方がよいですね…

Viablue T6sプラグではなく、違うものでも大きいのはありますが、アウターがねじ込み式が多かったかと思います。余計な断線(作業中に)を心配しないで組み込めるViablueの方が作りやすいのではと思って挑戦してみました。

いまのところ断線も発生しなくなっているので大丈夫だと思いますが、今度作るときはエポキシで固めるというのも試してみたいと思います。